メゾンサンリバー
片側壁面全体に開いている無数の穴。そこに挿入される棚板。 これらは居住者の個性を映し出すディスプレイとなる。

Concept
Little Pit -小さな穴と小さな整備所-
壁面に機能をもたせたこの部屋を「Little Pit」と名付けた。
この名前には2つの意味と1つの願いを込めている。
1)穴
壁面に使用した有孔合板の無数の穴のことを指す。
この合板に空いた小さな穴は、住み手の自由な発想を刺激し、生活を彩るツールとなる。
2)整備所
自らを整備する(彩る)のに役立つモノ、必要なモノ、好きなモノが主張するこの部屋は住み手の個性が色濃くにじみでてくる。
2つの「Pit」が創り出す世界観が、住み手の発想により編集され、その個性によって「Pit」が色濃く染まることを期待している。
Spec
基本情報
□バス・トイレ:セパレート □エアコンあり
□家電付(冷蔵庫・洗濯機・オーブンレンジ) □IHコンロ
□2重サッシ □コインランドリーあり □ガス給湯器
大学からの距離
□徒歩3分 □自転車1分
家賃・経費
□家賃 38,000円(シャワータイプ)、43,000円(2F ロフト付)
□管理費 3,000円
□インターネット イーグルネット使用可 □築年 1992年
□敷金 50,000円(シャワータイプRDA)、60,000円(ロフト付RDA)
□礼金 20,000円(シャワータイプRDA)、30,000円(ロフト付RDA)
老朽化したアパートを魅力的な居住空間へ
「メゾンサンリバー」は築20数年を迎え、アパートの老朽化に伴い改築が必要になっていました。また、間取りや備品なども、徐々に今の学生さんの好みとは違ってきており、新しい感性のある部屋へとリニューアルしたいとも思っていました。そんな中、KITサービスセンター新篁を通じて、建築デザイン学科の宮下准教授をご紹介いただき、リノベーションに着手することになった経緯です。
金沢工大への恩返しとして
アパート経営を手がけて42年が経ちましたが、私は金沢工大と共に歩んできた気持ちです。これまでお世話になってきた工大とその学生さんに、生きた教材としてアパートの部屋を提供し、実践的な設計の勉強に生かしていただきたいという気持ちで全面的にお任せしました。
限られた広さを最大限に生かす工夫
トイレ・浴室別の7.5畳の部屋をリノベーションするにあたり、学生さんからは様々な提案がありました。バスルームは利用頻度が少ないとのことでシャワールームに変更。また、狭い部屋を有効に使うため天井を吹き抜けにしロフトを作るなど、今の時代に合った部屋へと生まれ変わりました。また、壁には防音・断熱効果のあるパネルを入れ、パネルの穴にフックを付け、棚として使えるアイデアも面白いと思います。
進化するリノベーション
リノベーションは年4部屋のペースで進んでおり、最終的には全ての部屋を実施する予定です。(2018年完了)リノベーションを継続していくと、実際に住んでみてわかった課題や新たな改良点が見つかることもあり、設計のクオリティも徐々に向上しているように思います。
大家:窪さん
