サパン木野 「おはな食堂」
「おかあさんと学生、16人の家」 のアパート、共同生活を通して人と関わることの楽しさを学び、 充実した時間が生活を彩る

Concept
町の小さな食堂のようなコミュニティ
どこか懐かしく、家のような温かさを持ち、再び訪れると「ただいま」と言ってしまう…。
そんな力を持った場所にしたい。
映画の『かもめ食堂』のような、毎日そこにいることが当たり前で、お客さん同士はお互いを認知しつつも、それぞれ自分の時間を過ごしている。時には小さな出来事でつながったり離れたり。そんな丁度いい距離感を持ちつつもある種の仲間意識を育む場づくりを今回のコンセプトに設定。
「おはな食堂」として親しまれる場所にすることで、時間と共に精神的にも物質的にも深みを増すコミュニティをつくる。ここで暮らしている学生だけでなく、卒業していった学生もふらりと戻ってきてくれるような場になったと考える。
Re:Design
花型のテーブルは様々な組み合わせが可能。用途に応じてパターンを変更できる。
また、中心にはブラインドを設置し、食事をする場所、勉強をする場所、大家さんの趣味など同時に起こるアクティビティを緩やかに共存させている。
Spec
基本情報
□バス・トイレ:セパレート □エアコンあり
□IHコンロ(2口) □ガス給湯器 □温水洗浄便座あり
□家電付(冷蔵庫・洗濯機・オーブンレンジ) □独立洗面台
□モニター付インターフォン □ベランダ
□室内物干用フック □防犯カメラ
大学からの距離
□徒歩20分 □自転車9分
家賃・経費
□家賃 42,000円 □管理費 5,000円
□インターネット イーグルネット使用可 □築年 2000年
□敷金 50,000円 □礼金 0円
備考
□水道代別途
一般向けから学生寮へ
元々は単身者向けのアパートだったのですが、金沢高専さんからの要望があり、検討した結果、高専生専用の食事付き学生寮へとリノベーションしました。私たちは、教職員として長らく金沢工大にお世話になった経緯もあり、学生さんたちのお役に立つことで、学校側に恩返ししたいという気持ちも込められています。
学生同士がファミリーのように暮らせるアパート
工大のRDAプロジェクトと打ち合わせを重ね、学生さんから4パターンのリノベーションが提案されました。敷地内にコミュニティ広場を作るといったものや入口ゲートから玄関までアーチをかけるなど、いろいろなアイデアがありましたが、「学生さんたちがファミリーとして仲良く暮らせるアパート」という当初のコンセプトを活かし、1階の2部屋を食堂兼リビングへとリノベーションしました。単に食事をするだけの場所ではなく、学生さん同士が交流できるような工夫がされています。
学生からのアイデアを取り入れたコミュニティスペース
食堂にはブラインド式の間仕切りがあり、スペースを使い分けできます。花びらを形どったテーブルは学生さんたちの手作りで、人数や用途に応じたセッティングが容易なデザイン。また、食堂横にはテラスがあり、自然なコミュニケーションが生まれるように配慮されています。先輩・後輩としても良好な関係が築けているように感じています。
細かいケアを
学生さんの健康面やメンタル面もお世話することが大事だと思っています。コミュニティスペースである『おはな食堂』は玄関横なので、くつろいでいる学生さんたちの様子を見たり、声かけしたりもしています。親御さんが安心してお子さんを預けられるアパートを今後も目指していきたいと考えています。
おはな means
(1)「お花」:花としての意味だけでなく、オーナーの奥様が嗜まれている生け花の意味
(2)「オハナ」:ハワイ語で「家族」「仲間」の意味
*当面の間、食事休止
大家:木野さん
