ヒマワリアパート
Black Boxがアクセントのシャープな空間×プライベート

Concept
この部屋はもともと管理人室であり、生活するための空間ではなかった。このため、お風呂がなく、南側に押し入れがあったりした。最も大きな課題は、南側が駐車場、西側が共有階段、東側も駐車場となっていて、導線で囲まれている状態。そこで、今回の計画ではトップライトを設けることで光量の確保を行った。
そのほかの課題に対しても、ロフトの設定やシャワーブースを設けることで、コンパクトかつ、機能的な空間を実現した。
アトリエらしく、シャープな空間を創るために、巾木、鴨居、三方枠などを無くし、角を減らしている。そして、この空間の最大の特徴は、部屋のアクセントとなっているBlackboxである。このBoxには黒板塗装とマグネット塗装がされており、チョークで文字を書いたり、絵を描いたり、磁石で写真を貼ることができるようになっている。
建築を学ぶ学生はここでプランを考えたり、エスキス(下書きやスケッチ)ができる。大きな机を置いて、広々とした一人のアトリエで素敵な建築が生まれることを期待している。
Re:Design
平屋の天井裏を活用
ここは管理人室であったため、平屋建ての空間。その大きな天井裏を活かし、ロフトを設定。

玄関の位置
玄関が東側にあったため、北側にトイレやシャワーなどの機能をコンパクトにまとめた。

Spec
基本情報
□バス・トイレ:シャワーユニット □エアコンあり
□IHコンロ □ガス給湯器 □ロフト
□家電付(冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ)
大学からの距離
□徒歩9分 □自転車4分
家賃・経費
□家賃 37,000円 □管理費 2,000円
□インターネット イーグルネット使用可 □築年 1993年
□敷金 50,000円 □礼金 0円
備考
別途水道代
より現実に即した経験の場を提供
金沢工大からRDAプロジェクトの案内をいただき、アパートの1部屋を提供しました。
学生さんが、実社会での仕事に活かせるような経験を積んでいただければとの考えからです。
双方が納得できる設計の難しさ
学生さんたちからいろいろな提案がありましたが、すべて受け入れていると正直キリがない。「こうしたい」というアイデアを尊重したい気持ちはありましたが、コストの問題もあるので、アイデアを納得のいくまで練り直す作業が必要でしたね。
建築デザイン学科の学生に好評の広い作業スペース
学生さんの意見を取り入れた結果、部屋を有効に活用できるデザインに落ち着きました。研究や作業に必要な広いスペースを確保するため、ベッドはロフトに。また、ベッドに採光のための天窓を作ったのはいいアイデアだと思います。この部屋は、建築デザイン学科の学生さんに特に好評で、先まで予約が埋まっているほどです。
RDAプロジェクトに望むこと
学生のニーズに合ったリノベーションは今後も増えていくと思います。学生さんたちはまだ経験不足な感は否めませんが、今後は、より現実に即した設計をしてくれることでしょう。将来的には、このプロジェクトがエリア全体に拡大し、金沢工大を中心とする新しい街づくりへと発展していけばと思います。学生のみならず、周辺の方たちにも住みやすい環境づくりができればと思っています。
大家:中井さん
